グローバルスタンダードの仕事術「Ownership」

「OWNERSHIP (オーナーシップ)」とは

私は過去20年余り、国内外10の国で6社において仕事をしました。グローバルスタンダードの仕事術は私がこのような経験の中で頻繁に考えた、非常に興味のあるテーマです。

今回のテーマは「OWNERSHIP (オーナーシップ)」

MBA後に入った、イギリスにある世界最大のお酒の会社で、OWNERSHIPについてよく話されました。そして、これは、その後転職しても頻繁に繰り返すテーマでした。

このOWNERSHIP、

何かと言えば、プロジェクト、仕事などを「自分のこととして捉えているか」

です。プロジェクトリーダーとして、またはメンバーとして、

「頼まれたからやらされている」
「自分のすべきところだけやる」

のではなく、

「それを自分のものとして、あたかもオーナー(社長)になったつもりで」
会社にとって、そのプロジェクトにとって本当に良いと思うことを考えてしているか」
ということになります。

‘She is doing fantastic, because she has great ownership.’

OWNERSHIP (オーナーシップ)を持つことは仕事が出来るかどうかに大きく関わります。
海外で仕事をすると、何に対しても


「あなたはどう思うか」
「どうしてそうするべきか」

などと聞かれますが、その時に、

「やれと言われたから」
「あなた(上司)が言ったから」

というのは通用しません。
これはたとえ新入社員に対してもです。

そして、様々なバックグラウンドのメンバーが個々で意見を持ってどうすべきかをそれぞれ考えて仕事を進めるので、ぶつかる時も当然あります。

そんな意見を持ったメンバーをそれまた「社長になったつもりで」まとめ、仕事を進めていくのが、良いマネージャーということになります。

日本教育の影響

私も最初はこの仕事の仕方に戸惑いました。

日本人は教育上、このようなやり方に慣れていないからだと思います。
私は大学をアメリカで過ごしましたが、長い義務教育の中で、日本人の学び方に慣れていたからです。

歴史といえば年号を丸暗記。
国語の文章問題もテストで点数を取るテクニックを学ぶ、という勉強法を身につけた私は、自分がどう思うか、ということをあまり考えたことがありませんでした。

今、インターやイタリアの現地校に通う子供をみると、

歴史では「どうして」その時歴史上の人物が〇〇を決断したのか。
文学では、自分で読んで、自分がどう思ったか

をエッセイで書く、というような勉強の仕方をしています。

日本の教育は、基礎学力を身につけるには素晴らしいと思いますが、社会で通用する考え方を身につけるにはどうかと疑問に思うことが多くあります。

「もし自分が社長だったら」を常に考える

自分で全体像を把握して、考えて、仕事をする。
Vs
自分の関係する「歯車の一部」のみを見て言われたことをやる。

大きく違いますね。

仕事上で「もし私が社長だったら」と常に考えていると今とは違うやり方が見えるかもしれません。

そして、チームをマネージする立場の人は、そう思っている

「メンバーのフラストレーションがたまらないように、意見の交換の場を作り、建設的なデイスカッションの出来る信頼のおける関係性を構築すること」

はリーダーシップの中の重要な要素だと思います。
当然、メンバーの中では自分の意見が通らない人も多くいるでしょう。

ただ、そのメンバーが、
「どうして」自分の意見が異なって、「なぜ」他の意見に基づいて進められることになったのかを理解することにより、学びを深め、自分がマネージャーとなった時には、そのように仕事を進めていく土台となります。

さて、意見のぶつかり合いがあるのは、仕事上で、物事を「決断」する必要があるから。
若い時から自分で考えて、「決める練習」をするのはとても大切です。

次回はこの「決断」についてお伝えいたします。