私は10カ国でキャリアを積んできましたが、
その間に世界中の素晴らしいリーダーたちに育てていただきました
彼らにはいくつかの共通点がありましたが、その中でも印象的なのは、
何かをやってという時に必ずと言っていいほど
「理由を説明」してくれたこと
そして、その後に「どう思う」と私の意見を聞いてくれたことです。
そして、それは私に対する「ここを改善したほうが良いよ」という
フィードバックでもそうでした。
ファッション小売企業で上海からイタリアのオフィスに移った頃。
ヨーロッパでのサービス部署の担当者と一緒に
1対1の会議をしていた時のことです。
「部署が立ち上がり、メンバーもよくやってくれているね。
ただ、社長を交えたさっきのチームリーダー会議で、
サービス部門がどうビジネスに貢献できるか、
と言うポイントをもっと話せたと思うのだけど、
この部署をイタリアで立ち上げることに成功したら、
ヨーロッパの他の国でも立ち上げようと思っている。
そのために人件費やサービスのための場所の投資など
莫大な投資がかかるのは承知だ。
イタリアでの成功がこれからの会社のサービスレベルを決めるのだ
君に頑張ってもらわなくっちゃ。君、どう思う?」
どうしてこれを成功させ、また社内でサービス部門についてのアピールを
積極的にしなくてはいけないかという理由を教えてくれました。
そして「あなた、どう思う」と聞かれた後、
私はこのように答えました。
「そうですね。確かに主要部署のリーダーが集まっている
先ほどの会議で話すこと、ありました。
リテール部門から、一緒にコラボをして、
サービス部門がどう売り上げに貢献できるかの活動を
最初は小さな規模でやってみようと誘われたのです。
あの場で言うのは気が引けたのですが、
自分で話すうちに、
確かに彼の言っていることは正しいな、
もっと何ができるかな、
と彼の説明していた戦略的要因と結びつけて、
アイデアを探し始めます。
「そのコラボについて、ちょっと話そうか」と言う感じで
その後、20分ほどブレストをし私の率いるイタリアのサービス部門をケーススタディーとして、
他の部署をどう巻き込んで成功事例を作り上げるかのアクションプランが固まり、
ワクワクしたことを覚えています。
「どうしてあのミーティングで意見を言わなかったのか」
と言うネガティブフィードバックからはじまった会話が、
次へのアクションのブレストにつながり、ワクワクで終わる。
こんな会話が私にとって理想的です。
今回は上司とのお話を出しましたが、
上司だけではなく、
出来ないことを一方的に「こうやってやれ!」と叱るのでなく、
「どうしてやってほしいのか(目的や理由)」を話して
「君はどう思っている?」を聞いて話すことによって、
より良い方法や解決策に双方の意見を建設的に辿り着くことがよくありました。
「君、どう思う」を聞いて、相手の納得する方法を一緒に作り出すことで、
一方的に意見を押し付けるのでなく、一緒に解決策を生み出すことができます。
それによって「やらされている」感でなく、
「自らの方法でやっている」
ネガティブフィードバックを「理由」を伝え、
相手の意見を聞くことで、ポジティブフィードバックに変換し、
ワクワクと会話を終えてみませんか?