あなたのポテンシャルを最大化して世界で唯一の輝きを手に入れるための国際エグゼクティブコーチ
ミラノ在住の、ヴィランティ 牧野祝子です。
フランスにお住いの明日香さんからこんなコメント、質問をいただきました
”「ちょっと自分勝手に生きてみよう」ということに関して、同様なことを、「自分を大切に」というフレーズで、思い至っていたところでした。
また、数日前のメルマガで、バイリンガル教育について拝読しました。AIの翻訳機能が今でさえこんなに発達しているのに、(聞いて内容が理解できる、親しむ以上に努力を要する) 言葉の学習に、そんな価値がある世の中になっていると思いますか?”
これからの世の中、子供をバイリンガルにするか? どのレベルまで?
これからAIも発達してくるので、外国人と「お互い伝えたい事をエクスチェンジする」というためには、外国語をする必要はなくなると思います。
今でも「グーグルトランスレートで、海外旅行、エアビーの滞在でホストとワイン飲みながら結構話せたよー」と言っている友人は多くいます。
ただ、本当の意味で文化を理解し、それを感情として捉えることができるのは、人間しかできません。
外国人の相手と話をしながら、「この人はこんなバックグランドがありそうだから、こう考えて、こう感じて、今これを言っているのだろうな。それなら、こう対応したら話がすんなりまとまりそう」というのはロボットには当分の間できそうもない事で、語学を超えて、文化、価値観をわかっている、数カ国語を操る人にしかできない技です。
この技とは、広い視野を持ち、それぞれの言語の話されている文化や価値観を感覚で知っている相手のバックグラウンドから相手の考えていることが想像できる自分と相手の違いを認めつつ、お互い1人の人間として、尊敬して、「共通点を良い」と考えられるビジネスの場では、相手はこうきそうだから、我々はこの手でいけばうまくいきそうだ。ウィンウィンの状態が作れるだろう、目先のデイスカッションだけでなく、長期的な成功にも導けるわけです。
そして、こういうマインドセット、視野を広げる、というのは、大人になってからでなく、子供の時から「自然に」できていれば理想的な訳で、大学生から本気で英語で勉強した私と、生まれた時からマルチリンガルの私の子供達では、大きな差があるわけです。
ついでに言えば、外国語を「聴いて話す」というのは、子供にとっては、なんの苦労もせずに、「勝手に」学べることなので、大きくなってから時間もお金も多くを投資し苦労して私のように学ぶ必要は全くないわけです。
ということで、私は、子供にはできるだけ多くの言語に触れさせることをオススメしています。特にハーフに生まれたお子様にとっては、親側も、子側も、それほど苦労しなくても放っておけばバイリンガル、もしくはそれ以上になる可能性があるわけですから!
さて、注意が1つ。
私も何度も経験しましたが、マルチリンガル子育てをしていると、たまに「アドバイス」をくださる方がいらっしゃいます。
「子供が混乱するからやめたほうが良いよ」と。
私も1人目の子供で、子育てについて何もわからず、ローマで日本人が私だけ、という時は「そうかも。やはり日本語はやめたほうが良いのかな」なんて真剣に考えたこともありました。
最近では、私も慣れているので、こんなアドバイスを頂くと「失礼ですが、あなたは何ヶ国語お話になられますか?」と聴いてしまいます!
答えは決まって母国語のみ。
自分でマルチリンガルを体験したことも、その苦労も良さも分からない方に、影響されたくないな、と思うので。
「ありがたいご意見をありがとうございます。検討します」
と日本人らしく、YESとも NOとも言わずにその場を終えます。
ちなみに、私の2人目の娘は障害があり、彼女は言語は話しませんが、言っている事は4カ国語を理解できます。
彼女が小さかった時に、「ドーマン法」という教育法を取り入れて家でリハビリをしましたが、その中には、ハーフのお子さんでなくても、脳障害のある方に「わざわざ」外国語を教えて脳を鍛える、というプログラムが入っていました。
本当に素晴らしいプログラムでしたが、ハーフでない障害児にも役に立つ外国語教育、ハーフもしくは外国でお育ちの健常児のお子様にはマルチリンガル子育て、是非是非取り入れていただきたいと思います。
さて、「聴いて話す」のは自動的でも、「読んで書く」のは残念ながら、「勝手に」は身につきません。これはお勉強なので、机に座り、繰り返して書いて、読んで、使って習得する必要があります。
ご質問で聞いていただいたように、ここをどのレベルまで目標にするのかは、色々な考え方がありますし、またお子様の性格、興味にもよると思います。ただ、小学生のレベル位は目指しても良いのかな、と思います。
これだけ出来ていれば、日本に行って、大体の漢字も読めるし、尊敬語、謙譲語の基本もあるので、高校生くらいで、日本の社会勉強のために「バイトしてみたら」という事にも繋がるからです。
日本語がお好きで、勉強することに抵抗がないお子様でしたら、これ以上続くでしょうし、そうでなくても、ある程度のレベルは身につくかと。
後は、このレベルをどうキープして、忘れないようにするか、ですね。
夏休みももう終わり。私たちは、日本語の補修校の宿題におわれていて、今日も「飴とムチ」で漢字ドリルと「徒然草」の音読です!
どこまで必要? マルチリンガル教育と、そのレベル
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