先月は秋休み。

息子がイギリスの

ボーディングスクールから一時帰国していました。

夕食のあと、何気ない会話の中で

「どんなふうに先生たちが

フィードバックしてくれるの?」と聞いてみたところ、

印象的な言葉が返ってきました。

 

鍵は “WWW” と “EBI”

What Went Well(うまくいったこと)

Even Better If(もっと良くなるとしたら)

 

この2つを必ずペアで伝えるのが当たり前、とのこと

まず「何がうまくいったか」を伝え、

相手の努力や成長を認める。

そのうえで「もし次にこうできたらさらに良くなるね」と

未来に向けた提案をする。

 

私はこの話を聞きながら、

「これこそ本当のポジティブフィードバックだな」と感じました。

いきなりダメ出しをされれば、

どんなに正しい指摘でも心は閉じてしまいます。

良かった点を具体的に認められたあとなら、

耳も心も自然と開くもの。

そこには「評価」ではなく、

成長を応援する対話」があります

 

そして、話を聞いていて強く思ったのが、

私がイギリスの企業で出会った

上司たちが、まさにこの

ポジティブフィードバックの天才だったこと

彼らは日常的に「うまくいった点」を

具体的に言語化し、その上で

次のステップを明るく提案してくれました。

当時は「どうしてこんなに

人のモチベーションを上げるのが上手なんだろう」と

思っていましたが、今振り返れば、

それはこうした教育文化の中で

自然と身につけてきた習慣だったのだと腑に落ちます。

 

この考え方は、子どもの教育だけでなく、

私たち大人の職場コミュニケーションにも活かせます。

部下へのフィードバック、

上司への報告、同僚とのやりとり。

ちょっとした一言に

「What went well」と

「Even better if」を添えるだけで、

空気が柔らかくなり、関係が前向きに変わります。

 

例えば…

「プレゼンの構成がすごく分かりやすかったよ(WWW)。

次はもう少し図やグラフの可視化を工夫したら、さらに伝わりそう(EBI)」

そんな小さな言葉の積み重ねが、

チームの信頼を育てていくのかもしれません。

 

イギリスの教育や職場文化には、

「人を育てる」という視点が深く根づいています。

私たちも日常の中で、

この考え方を少し取り入れてみませんか。

家庭でも、職場でも、自分自身へのセルフトークにも。

まずは、自分へのポジティブフィードバック

ご自身に「WWW」 「EBI」の言葉がけをしましょう